★WINTER WONDERLAND★
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Songs #180-#171
2001年06月04日 (月) * 編集
#180. I Guess That's Why You Call It The Blues - Elton John(US#4/84)

Too Low for ZeroElton John をリアルタイムで初めて聴いたのは "I'm Still Standing" (US#12/83) で、元気な曲だなぁという程度の印象でした。80年半ば以降のスランプ(といってもトップ10ミス連発というだけ)にあったとは知らなかったし、ましてやポップ史上に燦然と輝く大シンガー/ソングライターなんて夢にも思わなかった頃のこと。程なくして出会ったこの曲は、ちょっとよろめくようなピアノのイントロといい、技巧的なコーラスの組み立てといい、ラジオでよくかかるうちにすっかり好きになってしまいました。

まだ 「ブルース」 とは何かもよく分からなかった頃のこと。今なら、人はあんな気持ちをブルースと呼ぶんだろうな、と想像がつく。時を重ねるごとに味わいを増す、それもまた名曲の条件のひとつ。スティーヴィー・ワンダーのハーモニカは言うに及ばず、素晴らしき邦題 『ブルースはお好き?』 も忘れがたいですね。

♪Wait on me girl
 Cry in the night if it helps
 But more than ever I simply love you
 More than I love life itself

さらりとこんなこと言えるといいね。詞を書いたのはエルトンじゃなくてバーニー・トーピンですけれど。



#179. Cool Night - Paul Davis(US#11/82)

Cool Nightきっとこのネタ何度も書きますが、本格的に洋楽を意識した最初のカセットテープに録音されていた曲の1つ。本当にくたくたになるまで繰り返し聴いたテープで、この曲以外にもたくさんの名曲に出会いました。受けた影響は計り知れず。1982年大晦日のNHK-FM年末特番(渋谷陽一)。

さて、なんとなく AOR ぽいと思われている Paul Davis ですが、それは80年代初頭 『なんとなくクリスタル』 に使われたことによる勘違い、というのが定説のようです。ようです、と推定形なのはリアルタイムで体験していないからで、その意味では 「クール・ナイトより "'65 Love Affair" (US#6/82) の方が代表曲だ」 とか 「"I Go Crazy" (US#7/78) は40週間チャートインの記録を打ち立て、俺の心の中ではマカレナなんかよりずっと長かったイメージがある」 とか言われてもなんのことやらサッパリわかりません。

僕にわかるのは、この曲がどんなにメロウでセクシーな雰囲気を持っているかということ、そして短いながらも鮮明に印象に残る秀逸なギターソロを伴っているということくらいです。ですがそれで十分でしょう。更けゆく熱帯夜のドライヴ用BGMにこっそり紛れこませておきたい1曲。



#178. Pony - Ginuwine(US#6/96)

Ginuwine the Bachelor邦題という概念がほぼ忘れ去られつつあった90年代後半、僕らの脳天を直撃する強烈な1曲が出現した。それがこの 『(僕の)わんぱくポニー』。

ていうか何やねんそれ!!と突っ込むべきだったのかもしれないが、そういう時代だったからこそ、特異な邦題が記憶に刻まれ、こうして語り継がれていくのでしょう。まあ、レコード会社の担当者も3日3晩眠らず悩み抜いた結果、あえて思いっきりハズした邦題に逃げたのではないかと。だって、『騎乗位』じゃあんまりですから。

何度も繰り返され、すぐに覚えられるコーラス部分は次のとおり。

♪If your horny, lets do it
 Ride it, my pony
 My saddle's waiting
 Come and jump on it

これが、Timbaland の手による極めて異様なトラックの上でリピートされるわけです。Ginuwine 自身は伝統的なR&Bマナーをそれなりに踏まえたテナー・ヴォイスの持ち主で、線は細いながらも、酷い歌い手では決してありません。ただ、どうしてもこの曲の印象や、鍛え上げられた裸の上半身フォトの印象などが強すぎて、日本では引いちゃってる方も多いかも…。

ややスピードを上げたリミックスヴァージョンもかっこいいですね。



#177. After The Rain - Nelson(US#6/91)

アフター・ザ・レインNelson のファンだったことを恥ずかしいといっているのではない。そこは堂々と認めよう。僕は Nelson のファンだった。シャンプーはティモテに限ると信じ込んでいたことも告白しよう。

そうではなくて、恥ずかしかったのは初来日公演に行ってみたら、周りの席が全部女の子だったということです。そして、無理やり連れらて行かれた某先輩が、そんな女の子たちの黄色い歓声の中で急に僕に向かって「音を立てたり、歌ったりしないでね」と言って、ライヴを隠し録りしていたことでした。

それはともかく、Nelson は親の七光りで片付けるにはあまりに惜しいメロディメイカーたち。より正確には、祖父・父・双子と3代続けて全米#1シングルを生み出したという、たいへん血筋のよい芸能一家です。1st アルバムの "AFTER THE RAIN" はそれこそどこを切っても隙なしの、極めて完成度の高い産業ポップ/ロックアルバム。デビューシングルの "(Can't Live Without Your) Love And Affection" もよいですが、このアルバムタイトル曲の方は失恋に涙する女の子を励ますシチュエーションで、聴けばきっと元気が出る大好きな曲。まさに「雨降って地固まる」のです。

この後彼らは Geffen レコードともめたりして、タイミングよくアルバムをリリースできずに失速します。ちょっと残念なことでした。



#176. Eyes Without A Face - Billy Idol(US#4/84)

Rebel Yell (Exp)まあ誰も本名だとは思ってないでしょうけれど、念のため書いとくと William Broad です。ウィリアム「太(ふとし)」といったところです。反逆のアイドルの正体見破れり。今となっては謎かもしれませんが、これが80年代には紛れもなく一世を風靡したわけです。あのツンツン立てた髪型と、唇をゆがめてニヤリと笑う WHIPLASH SMILE にギャルのハートは虜です。じゃなくて「でした」。

最大のヒット曲は全米1位の "Mony Mony" ですし、記録より記憶に残る曲ならばやっぱり「もー!もー!もー!」の "Rebel Yell" でトドメです。しかしここはこの84年夏の大ヒットに1票入れましょう。薄っぺらい白玉シンセのイントロでいきなり脱力、薄っぺらさに拍車をかける Billy の間延びしたヴォーカルでほとんど捨て曲かと思いきや、中盤突如として凄まじいギターリフが大爆発! 曲は唐突にハードロックに展開し、 Steve Stevens が右腕をぐるぐる回すトレードマークのプレイが目に浮かんだあたりで再び前半の曲調に回帰するという大胆な展開。

…はっきり言って、全国1,000万人のプログレファンの心を鷲掴みです。
(Lionel Richie の "Say You, Say Me" と同じじゃんとか言うの禁止です)

歌詞の方はちょっと意味不明な部分もありますが、無駄にフランス語入りでそれもまた印象的でした。

♪Les yeux sans visage eyes without a face
 Got no human grace your eyes without a face
 Such a human waste your eyes without a face
 And now it's getting worse...



#175. Georgy Porgy - Toto(US#48/79)

宇宙の騎士Toto で1曲選ぶ。

苦行です。地獄です。どれを選んでも 『ふーん、それを選ぶわけね』 とAOR者たちの冷たい視線と何百もの反論が聞こえてきそうです。なぜならば、彼らの縄張り意識はプログレ者たちと並んでもっとも牢固として抜きがたい、筋金入りのものだから。

それにもめげず、ここ数年の自分の気分ではこの "Georgy Porgy" が定位置。どうせメロウ好きの軟弱者です。過ぎ去った日の苦い思い出が、時としてこの曲のイントロとともに蘇り、胸を締めつけます。

選ぶ理由の1つとして、お洒落なコーラスを歌う Cheryl Lynn の声の魅力も挙げられますね。

♪Georgy Porgy pudding pie,
 Kissed the girls and made them cry...

マザーグースから引用したフレーズですが、Eric Benet がカヴァーした時にこのコーラスを歌った Faith Evans もいい雰囲気だったので安心しました。自分にとって大事な曲をカヴァーされるのは、嬉しい一方で常に不安でいっぱいなのです。



#174. Doo Wap (That Thing) - Lauryn Hill(US#1/98)

ミスエデュケーションご存知 Fugees の紅一点、ローリンちゃん。可愛いんだよね~。

でもライムは痛烈。男の子も女の子もメッタ斬り。可愛い顔してあの子、割とやるもんです。1番で女の子の素行をばっさり斬って落とした上でコーラスは男の子に呼びかけ。2番では男の子に苦言を呈してコーラスを女の子に呼びかけ。言わんとするところは同じで、薄っぺらい見せかけだけのブラザーやシスターになるなってこと。そしてそんな異性の pretend に騙されちゃだめよってこと。 1歩間違えれば超ムカツク歌詞ですが、そこはそれ、ローリンちゃんの可愛いキャラにすべてを許してしまうのです。そう美しく強い女は得なのです。

アルバム中でも際立ったアップテンポ曲で、気持ちいいホーンセクションや、懐かしいローズやエレピの響きが温かい、ナイスなトラックでした。ビデオクリップも可愛かったですね~。

♪Guys you know you better watch out
 Some girls, some girls are only about
 That thing, that thing, that thing...



#173. A Girl Like You - Edwyn Collins(US#32/95)

Gorgeous George95年夏のロンドンで、この曲を聴かない日はなかったといっても過言ではないでしょう。Orange Juice 時代は全然知らなかったので、この曲が彼との初めての出会い。ネオアコなんて、イルカのジャケなんて、全然知らなかったのです。ましてフリッパーズに影響与えまくっていたなんて(←それは単にフリッパーズギターを聴いてないせいだと思いますが)。

アルバム "GORGEOUS GEORGE" を買って、ずいぶん聴きました。その時直感したことは、この人決して器用な人ではないなと。でも誠実な人なんだろうなとも思いました。ツバが飛んでくるような力のこもった歌いっぷりに、1度聴いたら忘れられないあのギターリフ。トップ10ヒットになってBBCの Top of The Pops という番組に出演し、スモークとバリライトの中で毎週この曲を歌う彼の姿は、はっきり言って「場違い」で、そういう聴かれ方をされるべき人じゃないんだろうに…と思わずにいられなかったのを覚えています。

ネオアコ、というパブリックイメージからすると野太い声ですし、むしろアメリカ志向な雰囲気もあります。そのせいかどうか、この曲は映画 "EMPIRE RECORDS" に使われて全米でもトップ40ヒットになりました。これがいちばんビックリしたことかも。



#172. Deuce - Kiss

地獄からの使者~キッス・ファースト70年代の日本洋楽界は、キッス、エアロ、クイーンが御三家だったそうです。自分が洋楽を聴き始めた83年前後とはまるで様相が異なっていたということですね。厳密に言えばクイーンはFMで "Body Language" とかかかってましたけど。印象悪かったです(笑)。

さてこの "Deuce" は75年の名ライヴ盤 "ALIVE!" の冒頭を飾る1曲でもあります。もちろんそんなものを最初から聴いたわけもなく、多分初めてまともに聴いたのは93年の "ALIVE III" の2曲目の方。とにかくカッコいいベースのリフで、ジーン・シモンズがゴリゴリ押しまくります。はっきり言って歌詞はさっぱり訳わかんないんですけど。

♪Baby, if you're feeling good
 And baby if you're feeling nice
 You know your man is workin' hard
 He's worth a deuce

ま、よしとしましょう。Kiss の魅力は単純明快なリフと2度目からは歌えるキャッチーなコーラス、そしてオーディエンスが参加できるパートをこっそり忍びこませてあるライヴ仕様の隠しネタにあるのですから。例えばこの "Deuce" の2番の歌詞ラストの "Do it!" のように…

トリビュート盤が出た時にはこの曲担当のアーティストを見て頭を抱えたものですが、買って聴いてみたら不覚にも素晴らしいダサカッコよさでやられました。さすがにこういう仕事をさせると Lenny Kravitz は超一流ですね(誉めてるのか?)。



#171. Too Young To Die - Jamiroquai(UK#12/93)

Emergency on Planet Earthジャミロクワイを批判するのは簡単です。例えばスティーヴィ・ワンダーの物真似だ。例えばフリーソウルの焼き直しだ。例えば帽子で誤魔化している。

でも、全盛期のスティーヴィも、フリーソウルの甘美な世界もリアルタイムで経験していない自分にとって、ジャミこそが本物。いいじゃないですか、身体が反応するならば。このグルーヴを否定して踊るのを拒否することほど非生産的なことはない。でしょ? 帽子のことはひとまず措くとして。

ビデオクリップがMTVを席巻した "Virtual Insanity" もよかったけれど、やっぱり1stのシングル群の出来は圧倒的。そんな中で今日の気分でこの曲を。ホーンセクションがぴたっと息を合わせてグルーヴに乗る様は快感ですし、ゆらゆら揺れるエレピにまとわりつかれながらJ.K.が歌う歌詞は、警告的というよりむしろ胡散臭さに満ち溢れてますけれど。

胡散臭いものほど信用できることもある。
一見ホンモノみたいなニセモノに満ち溢れたこの世界にあっては。
Songs #190-#181
2001年06月03日 (日) * 編集
#190. Everybody Wants To Rule The World - Tears For Fears(US#1/85)

Songs From the Big Chair何といってもグループ名がいい。得体の知れぬ恐怖に涙がにじむ幼年期の気持ちを、韻を踏みながら綺麗にまとめて。好きな曲はたくさんありますが、何回聴いても爽やかな、そして力強い気持ちになれるのはやっぱりこれかな。

Curt Smith はソングライターとしては決して才能豊かではありませんし、実際この曲の作曲にも関わっていませんが、Roland Orzabal ばかりが歌うと重苦しくなってしまうことはちゃんと認識されているようで、これや "Advice For The Young At Heart" などは Curt に歌わせて正解でしょ?
 
歌詞が取り沙汰されたグループでもあります。この曲もまたいろいろと解釈できる歌詞ではありますが、ブリッジの

♪There's a room where the light won't find you
 Holding hands while the walls come tumbling down
 When they do I'll be right behind you'

というくだりが(核)戦争の情景を想像させました。冷戦、という時代を反映した作品だったのかなあ。

リズムギターでギターソロを構成した編曲の巧みさもお見事。そしてブレイク後に力強く歌われる終章の歌詞にはいつも胸が熱くなります。

'I can't stand this indecision   ヴィジョンの欠如した
Married with a lack of vision   優柔不断な態度には我慢できない
Everybody wants to rule the world   誰もが世界を支配したがってる
Say that you'll never never never need it   そんなもの要らないって言っちまえよ
One headline why believe it ?   見出しなんか信じるんじゃない
Everybody wants to rule the world   誰もが世界を支配したがってる
All for freedom and for pleasure   全ては自由と喜びのため
Nothing ever lasts forever   永遠に続くものなんてありはしない
Everybody wants to rule the world...'   誰もが世界を支配したがってる…

この曲、バンド内では「軽すぎる」としてアルバムにも収録されない予定だったと言われます。アメリカ向けのシングル曲候補が必要だと考えていたプロデューサーが「ぜひ」と説得して録音されたとか。それがこうしてクラシックになり、今でもラジオでかかりつづけているのですから、歴史は本当に分からないものです。



#189. Best of My Love - The Emotions(US#1/77)

Rejoice落ち込む失恋ソングなんて聴きたくない。いつだってポジティブなラヴソング、聴いてて恥ずかしくなるくらいラブラブな歌詞の方がいい。だって、人を好きになること以上に素敵な体験なんて、どこにもないと思うから。

この全米#1ヒットだって、両想いになれた喜びを、身もフタもなく思いっきり歌っちゃったディスコです。いいじゃないですか、それでいいんです。聴いてるだけでウキウキしてしまう、力強くもキュートなヴォーカル。誰でも思わず口ずさんでしまうコーラス。誰だって恋愛がうまくいってるときは、世界中に向かってのろけたくなるものでしょ?

The Emotions は姉妹グループで、もとはゴスペルグループ。歴史は古くて、ポピュラーに転向したのが1968年。以降、84年までの間に30曲ものR&Bヒットを放ちますが、ポップヒットは9曲、トップ10クラスはわずか2曲で、そのうち1曲は Earth, Wind & Fire と組んだ "Boogie Wonderland" (US#6/79) だったりします。その意味では、#1×5週間のこの "Best of My Love" のヒットぶりは突出していて、これもまた誰からも愛されるシンプルでよく出来た楽曲の魅力かな、と。



#188. Roll With It - Steve Winwood(US#1/88)

Roll With It「♪人生が手に負えなくなってきたら / 逆らわずにうまくやり過ごせ / 大丈夫、きっと切り抜けられるさ」

そんなお気楽な元気付けソング。これまた大好きな部類です。彼のようなソウルフルな声で、力強く歌いかけられれば、どんなに落ち込んでいても「そうかな。まあ、いっちょやってみっか」ってな気にもなるってもんです。

個人的に好きなのはドラムス。確か Steve 自身が叩いているクレジットだったような記憶あり。特にイントロの、大昔から何百曲となく同じフレーズがあるはずの「ドン タタッタッ!」というリズムは、チューニングといいタメといい、絶妙の味わいです。あとはやっぱりバックで地味に自己主張しつづけるハモンドオルガンの音色かなぁ。終盤にちょっと暴れるところもいい感じ。

リアルタイムは "Higher Love" (US#1/86) からで、"The Finer Things" (US#8/87), "Back In The High Life Again" (US#13/87), "Valerie" (US#9/87 の方) などなど、好きな曲目白押し。 "While You See A Chance" (US#7/81) は「ベストヒットUSA」の第1回放送のチャートに入っていた曲なのではなかったかな? のちに何周年記念かのスペシャルで見たことがあるようなオボロゲな記憶が。確か1位は John Lennon "Woman" だったような…



#187. Sledgehammer - Peter Gabriel(US#1/86)

So: 25th Anniversary Edition (3 CD)ここではあえて逆説的にこいつをリストに。やっぱりリアルタイム最初の Peter だけに、衝撃が大きかったんですよ。今や古典となったビデオクリップも、ただただ圧倒されながら、何度もビデオを繰り返し再生したものです。

あらゆる意味で彼「らしくない」曲なのであって、本来なら "Here Comes The Flood" とか "Solsbury Hill"、 あるいは "Games Without Frontiers"、悪くても "Shock The Monkey" あたりを取り上げるべきなのだろうけど、ここでは敢えてこれを。だって誰がこんなホーン入りの、キャッチーなコーラス入りの曲を想像できたでしょう。しかも「♪僕はキミの大ハンマーになりたい」ときたもんだ。こんなセクシュアルな比喩が飛び出すなんて、曲が出来上がって一番ビックリしたのは案外本人なのでは。

こうして聴くと実は彼、60sなソウルミュージックも好きなのかなぁ、と。ホーンセクションだけじゃなくて、ヴォーカルの乗り方も徹底的に後ろに傾いていて、こりゃ相当マジです。でもね、この黒々とした雰囲気は、Tony Levin 先生のベースラインに負うところ大、ってのがワタクシの持論。聴けば聴くほど不思議なベースメロディなんですわ。

92年の "US" もオトナがじっくり聴きこめるいいアルバムだったけれど、以後は地味な活動に戻ってしまった Peter、そろそろ新作を出していただけませんでしょうかねー。彼の "SO" と Genesis "INVISIBLE TOUCH", そして GTR (Steve Hackett) の "GTR" がアルバムチャートで同時に上位に並んだりして、ひどくプログレッシヴだった86年の夏が懐かしい。



#186. Little Lies - Fleetwood Mac(US#4/87)

Tango in the Nightまさに、ひと粒で何度も美味しい曲。さすがに何百回も聴いたので飽きてきましたが、よく出来た編曲であることには変わりありません。

Mac の魅力をどこに見出すか、は人によって様々でしょうけれど、私の場合は Christine McVie の落ち着いた声と上品なキーボードタッチが核にあって、それを取り巻くように Stevie Nicks のガラガラ声やちょっと偏執狂っぽい Lindsey Buckingham のコーラスが配置され、土台をしっかり支えるタイトなリズムセクションが淡々とプレイする様子に一番惹かれるようです。…って、この曲そのまんまですね。もっとも、メンバー間の複雑かつ目を覆いたくなるような男女カンケイに魅力を感じることもまた、不可能ではありません(^^;)。

Christine の歌詞は言葉数が少なくて、抽象的なイメージが多いように思います。短めのヴァースからすぐにコーラスに突入するのも特徴的かも。ソロだとその辺が薄味過ぎて物足りないこともありますが、この曲についてはコーラスで左右からかぶさってくる Stevie と Lindsey の毒気溢れるヴォーカルが大いに魅力を引き立てているような。

もちろん Christine モノ以外にもお気に入り多数。"Don't Stop", "Gypsy", "Hold Me", "Big Love", "You Make Loving Fun", "Rhiannon", "Sara", "Seven Wonders" などなど。メンバーがどんなに歳をとってもいいから、一度ライヴで見たいグループの1つでもあります。



#185. Dance Hall Days - Wang Chung(US#16/84)

Points on the Curve「エーヴリバディ ワン・チャン トゥナイッ♪」
いやあよかった。やっぱ "Everybody Have Fun Tonight" (US#2/86) は至上最強のパーティチューンの1つでしょ。アルバム "MOSAIC" の王道ポップ路線の完成度の高さは認めるけれど、あれ1枚で「ああ、一発屋のデュオでしょ?」とか言われるのは許せない。"To Live And Die In L.A." (US#41/85) も聴いてよね。

…じゃなくて、84年の "POINTS ON THE CURVE" (『航跡』) にたっぷり詰まってる、まだ世間ずれする前の英国らしいシンセポップも聴いてほしいから。この頃はデュオじゃなくてトリオだし。でもその前は5~6人組だったらしい。ABCも似たような減り方しましたっけ。

元は Huang Chung と名乗っていた彼ら、怪しげなオリエンタルイメージで売り出したわけですが、イマイチ鳴かず飛ばず。この "Dance Hall Days" も Huang Chung 時代に Arista からリリースしているようですが、ダメだったみたい。

「ダンスホール」なんて行ったことないけれど、なんだか妙に懐かしくていい感じ。僕も、キミも、僕らの友達もみんなが、真実を信じ、行い、共有できたあの頃。それがダンスホールの日々。個人的には3番の歌詞のラストで何回も繰り返される次のフレーズが好き。

 "♪And you need her and she needs you...."



#184. A Night To Remember - Shalamar(US#44/82)

フレンズ(紙ジャケット仕様)どこにも隙のない完璧なダンストラックを挙げよと言われれば、この曲もその1つに挙げずにはいられません。単なるディスコヒットにしておくのはもったいないくらい、とにかくよく出来てます。

個人的な Shalamar リアルタイムは "Dead Giveaway" (US#22/83) からなもんで、その後も "Dancing In The Sheets" (US#17/18) だとか "Amnesia" (US#73/84) くらいしかポップヒットがないわけです。だから Jody Watley がソロデビューした時も元 Shalamar っていうのがピンと来なかったし、それより昔はカッコいいヒット曲がたくさんあるグループだとは全然知らなかったのでした。もともと SOUL TRAIN 出身のグループですが、Solar レーベルに移ってからは安定したダンスヒットを量産。男女ヴォーカリストを抱えるメリットも十分に活かしたコーラスワークもキレイです。

どうしようもなくカッコいいギターカッティングのイントロ。Jody Watley から順番にリードを取っていくヴォーカルのノリもいいし、"surrender" "remember" "tender" と韻を踏んでいく歌詞も好き。何より、お互い愛し合う男女が「今夜を忘れられない夜にしよう/しましょう」と歌いかけるコーラスが大好き。UK#5/82 の大ヒットなのに、全米ではトップ40にも入れなかったなんて信じられないくらい。

"Second Time Around" "There It Is" "Full of Fire" など好きな曲はたくさんあります。"I Can Make You Feel Good" (UK#7/82) の Kavana のカヴァーもよかったね。



#183. You Get What You Give - New Radicals(US#36/99)

Maybe You've Been Brainwashed Too初めて聴いた瞬間からもう、懐かしかった。80年代好きにはたまらない音とコードだったと思いませんか? ほとんどメロディ1個で強引に1曲聴かせるこの技量、もう少しこの名前でアルバムを作らせてみたかったよ、Gregg Alexander に。

暗くて希望のない時代に生まれたキッズたちに向けて、"♪Don't let go / you got the music in you / Don't give up / you got the reason to live" と歌いかける、無防備なまでにポジティヴなメッセージソング。Beck や Hanson, Courtney Love や Marilyn Manson を斬って捨てたエンディングの歌詞も印象的でした。

その声は、ダリル・ホールのようでもあり、トッド・ラングレンのようでもあり。ダリルがトッドから多大な影響を受け、アルバム『ウォー・ベイビーズ』を制作してもらってることも不思議な縁? 決して大ヒットにはならなかった同作の尖がった精神性を、あえて99年に持ちこんだのがこの Gregg Alexander と言っては無理があるかな。



#182. The Other Woman - Ray Parker, Jr.(US#4/82)

THE OTHER WOMAN (EXPANDED EDITION)誰が何と言おうと、Ray は最高です。この曲は洋楽聴き始めの小学6年生の冬にカセットに録音し、ずいぶん繰り返して聴いた思い出の曲。"I'm in love (~I'm in love)" "My life was fine (~Life was fine)" と女性コーラスが追っかける作りがひどくキャッチーで、耳に残るヒットでした。

もともとセッション・ギタリストだけあって、実にセンスの良い音作りをします。Stevie Wonder や Barry White や、そうそう Boz Scaggs なんかにも参加しているのです。Boz なんて、バックは全部 Toto で、ギターは全部ルカサーだろうなんて思ってませんか? AORの名盤 "MIDDLE MAN" での実にさりげない、しかし的確な Ray Parker, Jr. のリズムギターをぜひ再評価してください。

ギターに留まらず、基本的にマルチミュージシャン。Raydio 解散後は完全に1人宅録モードで、この曲なんかもドラム(イントロ最高!)/ベース/ギター/ピアノ/シンセ/バックコーラスと、サックスなどを除きほとんど1人で仕上げてます。

ちょいと遊びのつもりで引っ掛けた女の子が大変な子で、すっかりぶっ飛ばされたというストーリーを色男よろしく語る。どれくらいすごい子っていうと、

 "♪Makes me wanna grab my guitar / And play with it all night long"

と歌って、かっこいいギターソロに入るわけです。いやあ、まったくもってよく出来てます。Ray ソロ名義の作品もいいけど、Ollie & Jelly も在籍した Raydio 時代のファンクぶりぶりな音もお勧め。



#181. TSOP (The Sound of Philadelphia) - MFSB f/ The Three Degrees(US#1/74)

Best Of: Love Is the MessageGamble & Huff という名前にピンときた貴方はきっとフィリー・ソウル好き。そして「ファラデルフィアの音」という名のこの曲もきっと心のBGM。

フィリー・ソウル、うまく表現できないのですが、洗練されてます。例えばモータウンの音と比べた場合の話。流麗なストリングスといい、華麗なコーラスアレンジといい、安定したリズムセクションといい、格段にソフィスティケイトされちゃってます。伝説のシグマ・サウンドで生み出された傑作の数々は、今でも色褪せることなく輝いてます。

ご存知『ソウル・トレインのテーマ』、30~40人のスタジオミュージシャンやアレンジャーなどからなる音楽集団を MFSB (Mother, Father, Brother, Sister) と銘打って録音したこの曲は全米1位にして、彼ら名義での唯一のトップ40ヒット。ついでにアダルト・コンテンポラリーとR&Bチャートでも1位。まさに一世を風靡したわけです。

聴いてるだけでウキウキしてくる軽快なビートとストリングスメロディ、そして何といってもインストに華を添える Three Degrees のコーラス。そうか、これがフィリーの音なんだ!って感じ。辛いことがあった日や、落ち込んでる時こそ聴きたいですね。
Songs #200-#191
2001年06月02日 (土) * 編集
#200. mysterious Ways - U2(US#9/92)

アクトン・ベイビー~デラックス・エディションU2でたった1曲だけ選ぶ。これを苦行と呼ばずして何と呼ぼうか。

もちろん、様々な変遷を経てきているわけです。アイルランドの10月の叫びあり、戦争状態的元旦あり、忘れがたき焔のプライドなんかもあったりするわけです。もちろん血の如く真っ赤な空の下で振った白旗や、名もなき通りで探し物が見つからなかったりした日々を忘れてしまってもイカンのです。たとえ神の国は忘れたとしても(笑)。

そんなこんなでチョイスしてみた "mysterious Ways"。もう、イントロですよこれは。ぐにょんぐにょんした Edge のギターカッティング。鳴り始めた瞬間におかしな世界に飛ばされますね。何が何だかわからぬままに、「いいんだ、いいんだ」とただ繰り返す Bono のコーラス。明らかに突き抜けた境地。そこはもう、暴力的なまでにカッコいい。



#199. Fly To The Angels - Slaughter(US#19/90)

Stick It to YaSlaughter というバンドは正当に評価されていないのではないか。そんな思いに駆られることがしばしばあります。

確かに、コアなメタルファンからは「女子供相手」とそっぽを向かれそうだし、巷の女子高生たちからは「ウザそう」で片付けられそうなバンドではあります。がしかし、やはり1stの "STICK IT TO YA" 全編に溢れるキャッチーで完成度の高いメロディには抗いがたい。絶対に口ずさまずにいられない "Up All Night" のコーラス("♪Up all night / sleep all day")なんて、理屈抜きにサイコーだと思うのです。

一方この曲はドラマティックなバラード。亡くなった女の子に捧げて書かれた、いわゆる死者を悼む系の曲で、これでもか!というくらい大げさに、ブルージーに盛り上がります。

2ndの "THE WILD LIFE" はちょっとやり過ぎた。ファンが求めていたのはシリアスでヘヴィなロックなんかじゃなかったのです。それでも Queen ファン丸出しのコーラスアレンジが炸裂する "Days Gone By" なんて傑作も隠れているから要チェック。



#198. You Got Lucky - Tom Petty & The Heartbreakers(US#20/83)

Long After Dark…深い。実に深い。

Tom Petty の詞の深さに気付いたのは、実は相当経ってからのこと。彼が飄々と歌う言葉のひとつひとつ。それらが実はとてつもなく慎重に選ばれて配置された、枯れ山水の如き味わいを持って感じられるようになってきたのです。歳をとったということなのかしらん。

アルバム "LONG AFTER DARK" 収録のこの曲の歌詞は比較的ストレート。自分を振って別れようとする女に、捨てゼリフのように淡々と呼びかけます。いつの日か、彼女もこの言葉の重さに気づく日が来るかもしれません。いつまでも心の隅に引っかかっている僕と同じように…

 「ああ 行っちまえよ でも憶えておきな
  素敵な愛はなかなか見つからないさ
  本物の愛とは滅多に出逢えないさ
  ついてたんだぜ ベイブ
  そうさ 本当に君はラッキーだったんだ
  俺と出逢えたなんてね」

他にも "Don't Do Me Like That"(US#10/80), "The Waiting"(US#19/81), "Stop Draggin' My Heart Around"(US#3/81), "Rebels"(US#74/85), "Free Fallin'"(US#7/90) などなど、好きな曲いっぱいなのです。 



#197. Valotte - Julian Lennon(US#9/85)

Valotteポスト Beatles 世代の自分だからこそ、全く邪念なしにこの曲を受け入れることができたのかもしれない。

やわらかで、どこか John Lennon の面影も感じさせる Julian の声。ピアノをメインにアレンジした美しいアレンジ。初めて聴いた時、「これは名曲だ!」と思わずぞくっと震えたのを思い出します。早速買いに行った1stアルバムは、歴史的傑作というわけではありませんでしたが、瑞々しいメロディのかけらがいくつも収録されていました。"Too Late For Goodbyes"(US#5/85), "Say You're Wrong"(US#21/85) などは今でも大好き。

その後、"Stick Around" "Now You're In Heaven" の Album Rock #1 を叩き出したり、名曲 "Saltwater" を生み出したりしているものの、1st並みの話題とセールスには達していないようです。「父」の残像というか、重圧というのは私たちが想像している以上に大きなものなのかもしれません。個人的にはベスト盤がほしいところかな。



#196. Groove Is In The Heart - Deee-Lite(US#4/90)

World Clique脳天気とはこのことか。
能天気ではなく、「脳」が一点の雲もなく晴天の状態。そんな音。

当時のソ連はキエフ出身の Super DJ Dmitry、日本の誇る Jungle DJ Towa "Towa" Tei ことテイ・トーワ、そしてなんとオハイオ州出身のヴォーカリスト Lady Miss Kier がニューヨークで創った奇跡的コラボレーション。セールスチャートじゃ1位です。

何じゃコリャ?と思ったのも最初だけ、今や B-52's "Love Shack" などと並んで、かかった瞬間にトリップできる極私的至福系アッパートラック。Bootsy Collins の起用といい、思いっきりサイケなビデオクリップといい、あざとさ丸出し。でもOK、いつも心にグルーヴを。



#195. Don't Disturb This Groove - The System

Don't Disturb This Grooveグルーヴがらみでもう1曲。夏になると聴きたくなる曲でもあります。

Mic Murphy と David Frank が組んだテクノ・ファンク・デュオ、The System のトップ40はこれのみですが、80sリスナーには鮮烈な印象を残しているこの都会的でお洒落なヒットは、今でもドライヴ中にかけたりすると大いに盛り上がること請け合い。

ところで、このミディアムなんだけどスピード感もある不思議なリズムトラック、その上で意外と間延びしながら浮遊・展開するメロディライン、最近どこかで聴き覚えありませんか? そう、BAD BOYレーベルからのホワイト女の子4人組 Dream "He Loves U Not" はこの David Frank の作曲に関わっているんですね。のみならず、世界を席巻した Christina Aguilera "Genie In A Bottle" もそうでしたし、98 Degrees "The Hardest Thing" にも絡んでいます。

これまでに関わったアーティストは Dionne Farris, 2Pac, Madonna, The Notorious B.I.G., Billy Idol, Brian McKnight, Eric Clapton, Annie Lennox などなどだそうです。Eternal "Good Thing" を共作したり、Chaka Khan の "I Feel For You" でキーボード弾いてたり、Phil Collins "Sussudio" のトラックを作ったり…。そうそう、Steve Winwood の "BACK IN THE HIGH LIFE" アルバムをお持ちの方は、あのアルバム全体の印象を決定付けたホーンのアレンジャーとしてクレジットされている David Frank の名前を見つけることもできるでしょう。まさにポップミュージック界の隠れた立役者なのです。



#194. Waterfalls - TLC(US#1/95)

Crazysexycoolアルバム "CRAZYSEXYCOOL" については、発売と同時に輸入盤屋で購入したものの、1stのような弾けぶりを期待していた自分には期待外れで、翌週すぐに売り飛ばしてしまった苦い思い出があります。その後再購入してじっくり聴くことになりましたが、想像していた以上に重く深みのある内容で、今でも決して聴いて爽快になれるディスクというわけではありません。

この曲は全米チャートの1位を7週間も突っ走ったわけですが、ご存知のとおりエイズがらみのシリアスな内容を含んでいます。が、それをいったん受け止めた上でカラリとアレンジした Organized Noize のセンスを評価したい。乾いたブラスのバッキングとか、左右にゆらゆら揺れているようなリズム感覚とか、T-Boz の低音の活かし方とか、どれも絶妙。

そして何といってもここぞ!というところで切りこんでくる Left-Eye の長~いラップソロ。リリックもフロウも徹底的に練りつくされていて、何回聴いても実によくできた鮮やかなソロだと思います。

"Baby-Baby-Baby" や "Ain't 2 Proud To Beg"、"Diggin' On You", "No Scrubs" あたりと相当迷いました。やっぱりこのグループの場合、3人のキャラ立ちの鮮やかさ具合が、企画の勝利ということになるのでしょうね。



#193. C'est La Vie - Robbie Nevil(US#2/87)

Robbie Nevil"Dominoes" "Wot's It To Ya" など合計5曲ものトップ40ヒットを放ちながらも、やっぱり Robbie Nevil といえばセ・ラ・ヴィ。それが人生なのであります。

どことなく中性的な印象もある声質とルックスは、ある意味頼りなげで、押しが弱そう。そんな意味では、恵まれた作曲・アレンジ能力を活かして裏方に徹するべきだったのかもしれませんが、この曲にはハマリ役でした。大ヒット。セールスチャート1位であります。人生イヤになっちゃう瞬間って何回もありますよね。そんな時「ま、それが人生ってもんよ」と軽く歌い飛ばすこの曲を聴けば、またやってみるか、ってな気にもなるというものです。

この手のミディアムを得意とする彼、後に裏方で印象的なヒットを飛ばしてくれました。共作・co-プロデュースした Jeremy Jordan の "The Right Kind of Love"(US#14/93)、ホントいい曲ですよね。



#192. It's Raining Men - The Weather Girls(US#46/83)

Successまさに『ハレルヤ・ハリケーン』。Martha Wash と Izora Redman のデュオは、まさにその体重だけのことはある超ヘヴィ級ダンスクラシックを生み出しました。

Martha Wash に関していうと、その後もコンスタントに我々チャートファンの耳を楽しませてくれました。Black Box の "Everybody Everybody"(US#8/90)、C&C Music Factory の "Gonna Make You Sweat"(US#1/91) そして Seduction の "My One And Only (True Love)"(US#23/89) などなど。ダンスビートを圧倒する声を腹から出すためには、一定のボディが必要だってことなんでしょ。

アーティスト名と曲名が縁語になっている。それもまた風流なるかな。



#191. Hotel California - Eagles(US#1/77)

ホテル・カリフォルニア(SACD/CDハイブリッド盤)今さら all time 投票に入れなくても…という気もしますが、AFNなどで流れてくれば、やっぱり最後まで一緒に歌っちゃうし、エンディングのギターソロはきっと口でコピーしちゃう。ご存知70年代米国の終焉を告げる一大叙事詩、これを超えられずバンド自体が終焉、というオチまで付いたのもきっとご存知。"Get Over It" なんて歌ってる場合ではない。

Don Henley 色が濃い曲ばかりが Eagles ではありません。個人的には Glenn Frey の楽天的な人生賛歌みたいなスタンスも捨てがたい。全米#1ヒットは5曲もありますが、いずれも1週間のみの首位でした。

もっともこの曲についていえば、ヘンリーでもフライでもなく、ドン・フェルダー一世一代の大名曲として評価すべき。彼にとって、イーグルスに加入したことが良いことだったのかどうか微妙なところですが、この曲を書いてくれたことには本当に感謝しています。
洋楽Songs200選(ご説明&圏外10曲)
2001年06月01日 (金) * 編集
 本編に入る前に、ちょっとだけご説明します。

★まず、これは私 winter がこれまでの人生の中で聴いてきた曲を、2000年~2001年前半のある時点で、好きな順番に200曲並べたものです。といっても、たいていのヒット曲は好きになりますし、好きな曲は毎日変動しているので、ここに入りきれなかった曲が星の数ほどあります。うっかり入れ忘れた大事な曲もゴロゴロありそう。その辺は次回改訂時(もしあれば)に手を入れます。

★選曲にあたっては、1アーティスト1曲に限定しました。もちろん、好きな曲がいくつもあるアーティストもいるわけですが、お気に入りのアーティストをできるだけたくさん紹介することで、趣味の傾向が見えてくるのではないか?という期待も込めて、厳しい制限を課してみました。結果として、アーティストへの思い入れの度合いも順位に一定の影響を与えています。

★できるだけ英米のヒットシングルから選曲しました。最高位を記録した年ではなく、リリース年で記入してしまうこともあるかもしれませんが、大目に見てください。

★アルバム単位で評価しているものについては、敢えてSongs部門から外してCD(Albums)部門の方で高順位をつけることにしました。具体的な例を挙げますと、Yes の "Close To The Edge" という曲はSongs部門からは外し、アルバムの Close To The Edge として高めの評価をしています。このため非常に好きなアーティストのいくつかは Songs部門には登場していません。というわけで、CD(Albums)部門も併せてご覧くださいませ。

★以上が原則ですが、すべての原則と同様、もちろん例外だらけですのでご了承を。

 では、惜しくも200位圏外に漏れた10曲から、さっそくコメントしていきましょう。



#210 "Copacabana (At The Copa)" - Barry Manilow(78年全米8位)

Even Now (Exp) 今でこそシングルヒットを狙う人ではなくなりましたが、私がチャートを追いかけ始めた80年代前半までは、アメリカのみならず日本でも相当人気がありました。例えば八百屋の有線で『君は Lookin' Hot』が流れる情景を思い浮かべてみましょう。

 "Mandy" "I Write The Songs" "Can't Smile Without You" など、バラード系の歌いこなしに定評がありますが、ここではアップテンポのこのナンバーを。コパカバーナのショウガール Lola をめぐるストーリィを、起伏の激しいジェットコースターのようなアレンジで展開します。掛け合いが楽しいコーラスや、中盤のラテン風味炸裂のブレイク部分などは本当によく編曲されてますね。ストーリィ自体は決してハッピーエンディングではないのですが…

 アルバムとしては、85年に全米28位まで上がった 2:00 AM Paradise Cafe のジャズ路線も気に入っています。



#209 "Always" - Atlantic Starr(87年全米1位)

All in the Name of Love ご存知、結婚式の定番曲。鬼キュートな純愛バラードです。
 ただ、よく言われることですが、彼らはこの曲をヒットさせる前に "Secret Lovers" (US#3/86) で不倫の愛について力強く歌い上げているという二律背反性を指摘しないわけにはいきません。

 グループ結成は76年にまで遡り、歴代の女性ヴォーカリストには Sharon Bryant → Barbara Weathers → Porscha Martin → Rachel Oliver → Aisha Tanner … と激しい変遷が見られ、ちっとも always ではありません。Sharon Bryant 個人には "Let Go" (US#34/89) のトップ40ヒットがあるほか、Steve Perry の "Foolish Heart" のカヴァー(US#90/89)もいい感じでしたね。



#208 "Weak" - SWV(93年全米1位)

It's About Time 邦題 『ウィーク・ポイント』。
 原題より長い、余分な言葉を付加したカタカナ邦題という時点で、既に猛烈にポイントが高いのですが、それだけでなく実によくできたバラードだと思います。どこを切っても溢れる「女の子の揺れる心」みたいな情感といい、上下によく動くコーラスといい、SWV の1st It's About Time における Brian Alexander Morgan は本当にいい仕事してました。

 "I'm So Into You", "Right Here / Human Nature", "You're The One" など、他にも好きな曲がたくさんあるグループでした。確かにメインは Coko だったけれど、解散はやっぱり残念。



#207 "Seventeen" - Winger(89年全米26位)

ウィンガー (ワーナー・ハード・ロック1500) 最近は Hair Metal に分類されているのをよく見かけるんですが、個人的にはちょっと別格。スタジオミュージシャン上がりの技術に裏打ちされたポップな楽曲は、意表を突いた展開やコード進行、よく練られたソロなどが隠された宝探しのような楽しさがあります。この曲に関して言えば、やはり最高位17位に達しなかったのは悔やまれます。

 続く "Headed For A Heartbreak" (US#19/89) の荘厳で妖しい雰囲気も捨てがたいところ。また、このバンドでは比較的抑えて叩いているドラムスの Rod Morgenstein も、Dixie Dregs ではもっと激しいプレイを聴かせてくれます。



#206 "Gold" - Spandau Ballet(84年全米29位)

True: Special Edition 普通は "True" (US#4/83) が挙がるのかな? でも個人的にはUK#2のこちらを推しましょう。PM Dawn の姿も脳裏にちらつかないし…

 実際 Tony Hadley のヴォーカルは、バラードもいいけれどこの "Gold" や "Only When You Leave" (US#29/84) のようなアップでも伸びやかに冴え渡ります。ニューロマンティックのムーヴメントの中ではヴォーカルの力量が際立っていたように思いますが、グループとしては80年代後半にかけて次第に失速してしまいました。

 Gary Kemp (Guitar) と Martin Kemp (Bass) の兄弟はその後俳優業に進出、それなりにあちこちで名前を見かけます。Tony Hadley は今でもロンドンの小さなクラブで時々ステージに立ったりしているようです。



#205 "Break My Stride" - Matthew Wilder(84年全米5位)

I Don't Speak the Language / Bouncin Off the Walls 『想い出のステップ』。

 この邦題だけで84年にタイムスリップできるあなたは、きっと僕と同世代。軽いスカ風の裏打ちのリズムに、どえらくキャッチーなメロディを歌う彼のハイトーン。一度聴いたら忘れられませんよね。もともと Rickie Lee Jones や Bette Midler のバックコーラスなどをやっていたようですが、Private I (確か日本人がオーナーだったような?)というレーベルからリリースしたこの曲に火がついて大ヒット。残念ながらこれを超えるヒットは続かず、世間的には「一発屋」のレッテルを貼られています。

 しかし、いったい誰が予想できたでしょうか? プロデュース業に鞍替えして1995年に制作した No Doubt の Tragic Kingdom アルバムが、"Don't Speak" の大エアプレイヒットのおかげで1年以上かけて全米1位となり、"Break My Stride" のコーラスを使った Puff Daddy f/Mase の "Can't Nobody Hold Me Down" も97年に全米1位になるということを…  

時間はかかりましたが、彼の音は確かに全米を制覇したのです。おめでとう!



#204 "Ladies Night" - Kool & The Gang(80年全米8位)

Very Best of リアルタイム的には "Joanna" や "Cherish" 世代なのですが、ダンスクラシックスにハマってから遡った Kool & The Gang はまさに名曲の宝庫なのでした。"Celebration" "Too Hot" "Get Down On It" … さらに James "J.T." Taylor 時代より前に遡ると、そこには野性的なファンクバンドがありました。"Jungle Boogie" "Holywood Swinging" に熱く踊り、"Summer Madness" で火照った身体をチルアウト。

 どれもこれも捨てがたい中、今日の気分でこいつをセレクト。やっぱこのベースのウネリはたまりません。"Not Tonight (Remix)" - Lil' Kim f/Da Brat, Left Eye, Missy Elliott, Angie Martinez (US#6/97) という奇跡的なコラボレーションが生まれたのも、"Ladies Night" のブレイクビーツあってこそ。まさに永遠のスムースダンサークラシック。



#203 "Baby Love" - Regina(86年全米10位)

 で、出た! 恥ずかしい過去シリーズ。好きなんです。

 これ以外にヒット曲のないきれいな一発屋ですが、Madonna のデビュー当時を思わせる音とキュートなヴォーカルでいつまでも私の心に残る曲。それもそのはず、初期 Madonna を語る上で欠かせない Stephen Bray が作曲・制作しているからなんですね。Bray といえば Breakfast Club "Right On Track" (US#7/87)。マドンナも一瞬在籍したことになってます。

 今はどこで何をしているのか、Regina。しかし残した曲はこうして、いつまでも人の心の中でメロディを響かせつづけるのです… 

ちょっとお化粧濃かったね。



#202 "Wake Up Boo!" - The Boo Radleys(95年全英9位)

ウェイク・アップ "Wake up, it's a beautiful morning ~♪"  

 これぞ爽やかお目覚めソング史上最強のフレーズ。重い打ち合わせのある朝も、これをタイマーセットして起きれば絶対大丈夫。

 95年、Boo Radleys はこの曲でイギリス中のラジオを制覇しました。当時ロンドンに住んでいたのですが、本当によくかかっていたものです。キラキラしたブラスのイントロから前のめりに走るドラミング、きれいにアレンジされたコーラスワーク、強力なフックと、非の打ち所のないポップソングだと思います。

 Sleeper の前座でライヴを見ましたが、そこではもう少しシリアスな曲もやりたいバンド側と、"Wake Up Boo!" を求める観客側の気持ちとがちょっとすれ違っているようで、ちょっと空回り気味でもありました。



#201 "Let It Be" - The Beatles(70年全米1位)

 ポピュラー・ミュージック界を語る時にこの方々を避けてとおることはできないのでしょう。確かに私も好きな曲がいくつもあります。しかし一方で、1970年5月生まれの私は「ビートルズ以後」の世代であることも確かです。もちろん素晴らしい音楽は時を超えて歌い継がれますし、いつ聴いても素晴らしいのですが、ポップスの真の醍醐味はリアルタイムで聴いてこそ味わえるというのが私の持論でもあります。

 そんな意味で、敬意を表して象徴的な201位に置いてみました。でもって私にとっては、むしろ81年の角川映画『悪霊島』の主題歌としてのイメージが強かったりします。
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